2017年4月5日水曜日

2年間シリコンバレーで失敗してみて-記事翻訳


ソウル大学経営学科卒、ソニーエンタテインメント(韓国)、アメリカNHN代表、アウトスパークCEO、ウィメイドエンタテインメント(アメリカ)代表

先日、3/29 NAVERコネクトホールでスタートアップアライアンス主催で開かれた
「シリコンバレーの韓国人2017」、午後のセッションの講演者として出てきたユン・ジョンソプmethinks(アメリカ)代表の略歴である。
見たところ凄い経歴であるが、この日講演の要旨は「シリコンバレーでの失敗」だった。

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ユン代表

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スタートアップで必要な3要素:チーム、製品、マーケット


良いチーム・十分な資金で始めたが、潰れてしまった

「スタートアップはチーム・プロダクト・マーケットを決めてから始める必要があります。
スタートアップをしようと決めたときは、最高のチームを作りたがった。
6ヶ月程度「私に合っている」・「考え方が同じ」なメンバー探しを行いました。
非常に良い友達に会いました。MIT博士出身で、Googleとマイクロソフトで経験があったエンジニア達と一緒に始めることになりました。」

共同創業者としてジェイミーが合流した後、良い人材が続々入った。
バックエンドはGoogle出身エンジニアのサム、MS出身フロントエンドエンジニアのジョン、UXはアップル出身デザイナーのアリア、ソーシャルゲーム開発会社ジンガ出身デザイナーのカールまで参加した。
お金も十分だった。韓国のお金で5億ウォン(5000万円)ほどをファンディングした。
ユン代表は「十分に集め、とてもやる気だった」と述べた。

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スタートアップを行うためには、コーディング・デザイン・資金が必要


"製品としてソーシャルゲームを作っていました。"


「子供だましな」ゲームではなく、家族や友人向けのソーシャルゲームを作ろうとした。
ゲームでお互いに良い関係を維持することができ、お互いを知り合うことができ、その中で同社は、商業的にも成功することができるゲームを夢見た。
チームのメンバーたちも、製品の哲学のアイデアに共感した。


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継続率は下がる一方だった



6ヶ月間一生懸命作って、2014年1月に製品をリリースした。製品はAppleのAppStoreで69カ国メインページから公開された。ダウンロード率はぐんぐん上がったが、リテンション(継続率)が下がる一方だった。
人はずっと流入されたが、一度入ってきた人が継続的にゲームをする仕組みは準備ができていない状況だった。

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4ヶ月後、最初の失敗を宣言した。お金は1億ウォン(1000万)程度しか残っていなかった。お金が5億ウォンあったときは、追加の投資提案が入っても断ってた。
状況が変わった。ファンディングを受ける事にした。製品の問題も把握するべきだった。
製品のターゲットから「家族」を抜いて、友人のためのソーシャルゲームとして製品の性格を変えた。


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まだ良いチームだった



この過程で、サムとアリアが会社を辞めた。ユン代表は「チームのメンバー同士の意見が合わない状態で次の行動を決めようとした」と当時の状況を話した。
重要なチームメンバーが2人出てしまったが、それほど心配はなかった。「残った人がやればいい」という考えだった。すでに作られた製品もあり、もう少し作ればと思っていた。

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私たちは誰に製品を売っているのか?


ところで、私たちのマーケットは何だろうか?

ファンディングを受ける為には投資家の前でプレゼンをしなければならない。製品の魅力をアピールし、市場で受け入れられることができる根拠も説明しなければならない。ユン代表は一度の失敗を経験後、どのようなマーケットをターゲットにするべきか悩んでだ。ユン代表は「頭が良すぎる人はスタートアップをする際に「私が作る製品は良い」と思い込んで、周りを見なくなる」と述べた。「私たちのターゲットユーザーは誰」なのか、明確に定義していなかったわけだ。


「スタートアップはターゲットユーザーを直接会って知るより、頭の中に絵を描いてコーディングをします。スタートアップで、このようなことまで気をくばる余地がありませんから」


最初の製品を発表して、ユーザー層を確認すると女性が多かった。データだけでターゲットユーザーを想定するには足りなかった。
当時、チームにも女性はいなかった。作り直すゲームは、女性をターゲットにするか、または元の計画通りに行くかどうか、悩むところだった。
ユン代表は「事業を始める前に必要とした悩みを、既に事業が失敗してからしてた。」と述べた。
最後の5ヶ月間は製品を作らず、ターゲットユーザーの話だけした。失敗を経験した後の混乱な状況で、次の失敗への恐怖が重なった。
リーダーシップも危機が訪れた。ファンディングのためのプレゼンのストーリーはおろか、本人がどのような製品をどこで売るべきかも分からない状態になっていた。
2014年10月、二回目の失敗を宣言した。お金は300万ウォン(30万円)残り、製品はローンチもできなかった。

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もう一回の修正があった


最も重要なパートナーであった共同創設者でも会社を去った。デザイナーとして入社したカールとユン代表だけが残った。会社を畳むべきかの分かれ道で無謀な決定を下した。直接製品を作ることにした。


「1年ほど自家用車売って資金も大切にしながら運用すると何とかできるのでは?私たちはエンジニアでもないのに?悩んで「ユーチューブで勉強することができないだろうか?やってみよう!」やってみることにしました。 "

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出来ると思い、耐えた


カールとユン代表が直接コーディングを学びながら、製品を作った。ユン代表は「私たちはできると洗脳しながら熱心に粘った」と述べた。この過程で、過去縁があったカカオのキム・ボムス議長などがエンジェル投資家として助けてくれた。丸1年を一生懸命作って、2015年10月のベータ版をローンチした。

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スタートアップで大事なのは「持ちこたえる」


ここで成功したら、美しく温かいストーリーに仕上げたはずだが、問題があった。ターゲットユーザーが誰なのかはまだ見つかりませんでした。ユン代表は「ユーザーを調査しながら、製品を作るには余りにも忙しかった」と述べた。
「実際のターゲットユーザーに会って、製品を見せながら私たちの製品を使用するかを確認したかったが、普通の人を近くで探すのは難しかった」と述べた。ユン代表は同じ過ちを繰り返したくなかった。頑張ってターゲットユーザーを探し回ったが、その際に戻ってくる答えは「私もそんな人を探したい」だった。

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まったく違うビジネスに変えた


またにも方向転換を決定した

ゲームを捨てた。これまで頭を悩ませた「ターゲットユーザー探し」がアイテムになった。サービスのターゲットユーザーを検索してマッチングしてくれるプラットフォームを作った。
9ヶ月間耐えながら再び製品を作って2016年9月に発表した。これがユーザー調査ビデオチャットプラットフォーム「methinks」だ。methinksは、マーケティング調査手法の一つであるフォーカスグループインタビュー(FGI)をオンライン・モバイルで可能にしたプラットフォームであり、企業が調査対象者を募集して、調査完了後の補償を支払うすべてのプロセスをサポートする。企業が調査内容の告知を出せば、ユーザーは志願して、ビデオチャットで多者間の調査を進行する方式である。
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もちろん、まだ成功するかどうかは分からない。しかし、数々の失敗の経験から生まれたmethinksは現在ビボ(VEVO)、MZのような大企業を顧客し、最近ではボンエンジェルスから8億5千万ウォンの投資を受けた。一つ危機を乗り越えたが、これからがもっと大事な時期である。ユン代表は「今度は成功した話をしたいと思います」と抱負を明らかにし、発表を終えた。

※この記事は作者から許可を得て翻訳しています。
元の記事  BLOTER(韓国)